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亀田興毅  内藤大助との一戦から

  • 2009/12/03(木) 07:51:04

亀田興毅と内藤大助の一戦は「弟の仇打ち」や「世紀の大失態のみそぎ」などいろんな因縁が絡み合い注目を浴びた試合となった。
薬師寺と辰吉の一戦を彷彿させる日本中のボクシングファンを巻き込んだ試合は意外な試合経過をたどりそして亀田がその決着にケリをつけた。




亀田は湧き上がる周囲の期待とは裏腹にいつも以上に冷静にそしてクレバーに戦った。過去のボクシングスタイルから一変し決して熱くならず12Rを計算通りに運ぶ試合運びに更なる進化を見た気がした。判定の点差も4〜6点の差がつき誰が見ても勝者は明白な結果だったがその点差以上の強さを感じたのは僕だけではなかったはずだ。

徹底したアウトボクシング。距離をしっかりとってガードを上げカウンターパンチの可能性を常に内藤に意識させ続けた12R、36分間だった。
内藤は年齢(35歳)が注目されているがそのひょうひょうとした感じからは想像もできないほどハードパンチをもちこのクラスでは今でも世界最高クラスで亀田のそれをはるかしのぐと言われている。
しかもノーモーションからのフックや独特の間合いで打ってくるトリッキーなパンチは相手の不意をつく効果的なパンチでKOの力はいまでも衰えていない選手だ。そんな内藤に対し亀田は徹底的にガードからはいり内藤の得意な距離に入らず実にうまい試合運びをしていく。

試合前にいつも以上の豪語とパフォーマンスで挑発し続けた亀田は若さを武器に徹底的に打ち合うと思われたしファンもそれを期待した。何より当の内藤自身がその展開を想定し開始早々から自ら仕掛け空回りしてしまう。
そんな展開にありがちなファンからのブーイングが一切なく逆に亀田を褒める声が多いのは亀田の技量の凄さと計算され研究しつくした亀田の分析力、対応力の凄さがその声を封じたと言っていいだろう。

内藤は常々「ファンの喜ぶ試合を」と口にする。『ファンの喜ぶ試合=打ち合いそしてKO劇』とする内藤は有言実行したファイトだったが亀田は「昔はケンカと思っていがボクシングはゲームです」と23歳の”浪速の闘犬”は成長の言葉を残した。亀田のこの試合に対する「勝利」に対する執念とその先を見据えた目標が内藤を完全に凌駕したのだ。

残念ながら内藤はこの一戦をもって引退を決意することになるかもしれないし再起は難しいかもしれない。その内藤を破った亀田はその先をしっかり見据えている。日本人初の3階級制覇を視野に次のステージに旅たつのだろう。

「試合前はいろいろ言ったけど素直にありがとうと言いたい」と内藤に感謝の言葉を述べファンは勿論、父親に母親に感謝を述べた亀田は人間的にも一回りもふたまわりも成長を遂げた。

そんな亀田に立ちはだかる大きな敵がタイの英雄・ポンサクレック。次回はこのポンサクレックとの対戦が義務つけられている。新たなパフォーマンスを見せた亀田の進化はまだ始まったばかりなのかもしれない。



長谷川穂積  『世界一強く世界一優しいチャンピオン』

  • 2009/07/18(土) 01:58:30

日本のボクシングを語る上においてファイティング原田にはじまり、辰吉丈一郎や薬師寺保英などが何度も腰に巻いたバンタム級のベルトの話が尽きない。「黄金のバンタム」という言葉があるぐらいこの階級は世界でも屈指のレベルを維持し続けている。

その継承者であり今や絶対王者と呼び声が高い長谷川穂積がこの度何と9連続防衛に成功し歴史にその名を改めて刻んだ。

『世界一強く世界一優しいチャンピオン』と称される長谷川は本当に強くそして心が優しい男である。




世界で勝ち続ける理由を問われて長谷川はまず最初に母親の事を口にする。不治の病「癌」と闘う母親の治療費の為にファイトマネーを稼いでいるのだ。一度の入院で300〜500万という巨額の入院費を捻出する為には負けられないというモチベーションで戦っているらしい。

長谷川は決して対戦相手を選ばない。連続防衛記録に挑戦する選手はランキング下位の選手と戦わせ通称「かませ犬」と呼び記録更新を絶対のものにする傾向がありがちだが長谷川は過去9回の防衛で世界ランク1位の選手。つまりチャンピオンの次に強いと世界が認めた選手と5度も戦っているのだ。しかもその他の選手も2位や3位といった上位ランクの選手とばかり試合を重ねしかも9回中6回をKOで防衛するという絶対的な強さを誇っているのだ。

そのほかにもこんなエピソードがある。

チャンピオンになった当時千里馬神戸ジムに所属していたが担当していた山下正人トレーナーに全幅の信頼を置き練習に励んでいた。この山下氏はなんと元警察官であってボクサーではなかったという異色の経歴を持ち世界チャンピオンを育て管理しさらに強くするのは難しいと判断したジム側が専属トレーナーを変更しようとした。
山下氏の熱い説得も聞き入れてもらえずジムの強行な態度に業を煮やした長谷川は山下氏と独立を決意。
山下氏が同じく神戸市内に「真正ジム」を旗揚げし金銭面や興行権で色々もめた結果、長谷川は初志貫徹し山下氏を慕いジム移籍をしたのだ。現役の世界チャンピオンが所属ジムを変えるなど極めて稀で少なくとも日本では初めてのケースとなった。山下氏を慕い山下氏への感謝の念を忘れない長谷川らしいエピソードではないだろうか

そんな心優しきチャンピオン長谷川にも野望がある。




ボクシングの本場アメリカ・ラスベガスで世界戦を戦い世界中の注目を浴びて戦いたいという野望だ。日本のボクサーが堂々とアメリカ・ラスベガスで試合をする姿を見てみたいがなかなかどうしてハードルは高いようだ。興行権の問題や長谷川の世界中での知名度など数々の問題をクリアしないとこの場所で試合をするのは難しいようだ。

世界チャンピオン9回防衛、内6回をKO防衛するなどこの階級での知名度は高いようだが所属ジムの小ささなど世界を相手にするにはまだ信用されていないのが大きなネックだろう。

それでも長谷川はいつか来るであろう自分の夢、野望の為にまた過酷なトレーニングをするのであろう。
いや長谷川は自分の事など考えていなくて母親の為、そして山下トレーナーの為、家族の為に戦いを挑むのだろう。

それが『世界一強く世界一優しいチャンピオン』長谷川穂積という男だ。


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