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東九州龍谷高校 

  • 2009/08/31(月) 17:28:40

衛星放送で高校総体(インターハイ)の女子バレーボールを見た。
近年、女子の高校バレーは圧倒的に大分の東九州龍谷を中心に回っている。東九州龍谷高校略して”東龍”。
昨年も春高、高校総体(インターハイ)を圧倒的な強さで制した。三冠のかかった地元・大分での国体は準優勝に終わったが、メンバーが変わって臨んだ今年の春高も圧倒的な強さで女王の座についた。

当然、インターハイも優勝候補の筆頭。決勝の相手である九州文化学園の監督でさえ前日の会見で「東龍への対策? ないですよ。あったら教えてほしいです。見てもらう人たちにがっかりされない程度に頑張ります」とすでに敗者の弁かのようなコメントを残している。これが”東龍”の強さなのか。
常勝軍団を率いる東龍の監督も「今の3年生たちは、ずっと勝ち続けてきた経験がある。勝ち方を知っている。これが一番の強さです」と余裕のコメントを残すほど実力差があるのだ。

身長179センチのサウスポーで最高到達点は308センチのエース長岡を中心に圧倒的な攻撃力に加えレシーブも含めた守備力はもちろんの事、基本的なプレーもしっかり身についた洗練されたチームにもはや死角などないように思えた。絶対的なエースを擁しながら、「高速バレー」を完成させるための基本技術の高さ、個の能力に頼らない「組織」でのブロック&レシーブの正確性、すべてにおいて”東龍”は頭一つ抜け出していた。
高校レベルでこんなに完成されたチームになるのか?と感心させられるほどのチームだ。

精神的にも引き締まった好チームは結局、終わってみれば1つのセットも与えない完全優勝だった。これで春高バレーに続く2冠目。国体を制すれば、昨年できなかった念願の「三冠」達成。おごること無く「勝負に絶対はない。二冠を取っても次に勝てる保証はないのだから、チャレンジャー精神で臨みたい」と語ったキャプテンを中心にまとまったチーム “最強”東龍の牙城は、そうたやすく崩れそうにない。

U-17代表  勝利至上主義に異議

  • 2009/08/30(日) 00:15:20

今年の10月のU−17ワールドカップに出場する日本サッカーのU-17代表。
この世代は宇佐美や高木らタレントを沢山擁した布陣は中田や前園、城、小野らを擁した「黄金世代」と比べられ「プラチナ世代」と言われている。
既にJリーグのトップチームで活躍している選手も多くかなり前から期待されている世代だが本当に世界で戦えるのだろうか?その試金石になるであろうビジャレアル国際ユース大会に参加した。

ヨーロッパの各国のしかもビッグクラブといわれるクラブのユース世代が一同に介したこの大会。過去にはメッシ(現バルセロナ)やセスク(現アーセナル)も出場したという歴史的にも登竜門的な大会に参加したのだ。アヤックス、リバプール、ACミラン、ビジャレアル、レアル・マドリーといったビッグクラブのスターの卵達にどう戦うのか見物だった。

「プラチナ世代」と日本では”ちやほや”されていた選手達も流石に本場、ヨーロッパの体格、走力、パススピード、パワーとサッカーにおいて必要な全ての要素で負けているのを感じたことだろう。

力な日本がこんな相手を敵にまわし試合に勝つには攻守において味方同士がサポートし合える距離を整えるための個人戦術が必要だ。しかし、残念なことに日本の個人戦術のレベルは体力で勝る欧州の各クラブに先んじられているのが現状だ。つまりチーム戦略でも戦略理解度でも劣っているのだ。

体格やパワーで上回られ、日本の同世代相手には経験したことのない強烈なボディコンタクトを仕掛けられる経験を味わえたことが唯一の収穫といったところか?欧州の若武者が見せる鋭い”寄せ”に対して“何とかボールを守るのが精一杯だった。

今からの2ヶ月間でたったの2ヶ月間で個々のスキルがヨーロッパのクラブでレギュラーをはる選手並にはならない。絶対に!でもU−17ワールドカップはすぐそこに迫っている。ならば個々よりもチームでフィールドプレヤー全員の意識を統一させ10人で攻守の切り替えをし全員が全員のカバーをしあいチーム全体の戦略で戦うしか残されていないだろう。

しかし僕はこの風潮に一石投じたい。

世界を感じるには感受性が一番豊かなこの世代に「勝つサッカー」より「負けないサッカー」を浸透させる意味があるのか?と僕は問いたい。

勿論、勝つことで得られるものは多いだろうし弱者が勝つ術を考え実践する事に反対ではない。しかし今回の大会で感じた「世界との差」を噛み締め個々が劣っていると感じたフィジカル強化やテクニック強化に努めることのほうが大事ではないか思うのだ。フル代表ならともかくこの世代だからこそ出来る事があるのではないだろうか?「勝利至上主義」も多いに結構だがこの世代にとっての本当の意味での「勝利」とは一体何なのだろうか?

今、90分間、作戦を練ってチーム戦略で戦って得る「勝利」よりもこの先の大きな「勝利」に向かってあえて「負ける」事も必要ではないだろうか?勿論、その「負け方」が非常に重要なのだが。勇気をもって「負ける」指導者はいないものだろうか?

過去関連ブログ  布啓一郎監督の談話から 少年サッカーを考える

中村美里   笑顔なき世界女王 

  • 2009/08/29(土) 00:06:17

中村美里。

初めて出場した北京オリンピックで銅メダルを獲得したにもかかわらず試合後から表彰式までずっと涙にくれた柔道家。「金」以外は意味が無いと公言した天才はこちらも初めて出場した世界選手権で優勝しても笑顔は無かった。


世界選手権の直前に行われたスペインでの最終合宿で悲劇は起こった。左ひざの前十字靱帯(じんたい)を痛め歩行も困難なほどだった。絶対安静と診断され大事な時期に練習はおろかリハビリに努めた。

北京オリンピックのあと、有力選手が軒並み休養をとる傍らで激しい練習に打ち込み、外国選手に負けない強さをつけようと自らを追い込んだ。徹底的に体を苛め抜き、技の精度向上にも十分な時間を割いた。

各国の選手のビデオを見尽くしストイックに打ち込んできたこの一年の集大成をみせる大一番を前に大きな怪我をしてしまったのだ。そんな状況でも、中村を奮い立たせたのは昨年の北京五輪で、銅メダルでも涙を流した悔しさだ。
史上最年少のメダル獲得に「最低限の仕事を果たした」と評価した首脳陣の評価とは裏腹に涙を流した悔しさ。
簡単にはあきらめきれない執念のような凄みを感じさせこの日を迎えた。回復度はチームドクターの見解で80%。到底万全の状態ではなく最悪の場合、今後のことを考え試合を放棄させる覚悟もしていたという。

「関係ありません」怪我のことを聞かれた中村ははっきりと断言した。「試練を乗り越えるつもりでやった」とも述べた。

得意の足技も制限された中村だが心は折れていなかった。それどころか自信満々にも見えた。確かに圧倒的な強さはだせず初戦から苦戦続きだったが「前へ前へ」でる気持のこもった柔道に相手は恐れをなしていた。

準々決勝までは優勢勝ちを続け向かえた準決勝も延長戦に奪った相手の反則で辛くも逃げ切った。決勝戦でも気持ちでは負けず先に先に技を仕掛け最後まで自分のペースで試合を支配した。

こんなに気持ちのこもった女子柔道家が過去にいただろうか?初の世界選手権で女王の座についてもおごる事無く「五輪の悔しさを晴らせるのは五輪だけ。ここは通過点」と言い放った。

見ていて頼もしい限りだ。今回の怪我も自分のせいと背負い込み自分の力でその窮地を脱した気持ちに改めて拍手を送りたい。
この日も笑顔を見せなかった中村の視線の先はロンドンに向いている。ロンドンでは全てを出し尽くしそして北京の借りをかえしてもらいたい。

クールでストイックな20歳の快心の笑顔が早く見たいものだ。



スポーツはドラマよりも奇なり 高校野球決勝戦より

  • 2009/08/28(金) 03:01:39

夏の甲子園決勝戦。こういうシーソーゲームをドラマの演出家は思いつくのだろうか?「スポーツはドラマよりも奇なり」という言葉を聞いた事があった事を思い出させてくれた。

ゲスト解説に訪れていた清原氏でさえ「甲子園には魔物がすんでいる」「僕も2、3度出逢っている」と証言してくれていた程、時に悪戯をする神が甲子園のどこかに眠っているようだ。
地力に勝る中京大中京の73年ぶり全国制覇が間近に迫った9回のマウンドにはこのまま優勝すればそのの立役者であったエースで4番、堂林が登り最後を締めようとしていた。グランドに居た選手も観客もテレビで観戦した多数のファンも中京大中京の優勝を疑わなかっただろう。

「すいませんでした……」結果、全国制覇を果たしたエースが謝罪するインタビューを初めて聞いた。

不本意ながらも劇的な決勝戦を演出してしまったエース堂林と三塁手河合からこぼれた涙は嬉し涙だけでなく改めて野球のスポーツの怖さを思い知らされ恐怖から開放された安堵の涙だったろう。

よく試合後に「あれが無ければ・・・」とか「あの時こうしていたら・・・」とかいわいる「たら」「れば」をよく耳にする。10−4と6点差のセーフティーリードで9回の攻防。しかもマウンドにはエースの堂林が登板。誰もが結果の予想をし、気の早い中京大中京のファンは乾杯をし気の早い新聞記者は中京の優勝記事を書き始めていたのかもしれない。
2死から、四球と2本の長短打で2点を返され6−10。4点差に詰め寄られなおも2死三塁と攻め立てられていたとはいえまだまだ余裕の表情を見せる中京ベンチと選手達。
そして次のバッターがフラフラと打ち上げた三塁ファールフライ。誰もが試合終了を確信したそのとき「神」が宿った。あまりに油断した中京に対しお灸を据えるかのように風が舞いフライを落としたのだ。
俄然、勢いがました日本文理ベンチを尻目に慌てだす中京ベンチ。どっちがリードしているのかがわからなくなってきた。これが「神」の力と軽々しくは言いたくないがまさに「神」が宿った瞬間だったように思う。9回2死からの連続攻撃にたじろくエースはその後も四球に連打を浴びマウンドを降りてしまう。リリーフした2年生もその流れを止めれず連打を浴びあっという間に1点差にまでなり尚も1、3塁にランナーを残し一打同点、長打で大逆転の場面になる。球場のボルテージが最高潮に達し異様なほどの盛り上がりをみせた。

そして次の打者が放った打球は快音を残しエラーを犯した3塁手の元へ痛烈なライナーが飛んだ。誰もが長打、逆転がよぎった瞬間、無情にもボールはグラブにおさまった。獲ったというより入ったという感が否めないほどの打球だった。「神様がもう一度、チャンスをくれたんだなって思いました」と語った三塁手河合君の搾り出したような涙声が印象的な結末だった。

明らかな油断があった中京大中京に対し最期まで諦めなかった日本文理の執念。改めてスポーツの怖さ、野球の怖さを思い知った面白い試合だったように思う。

今宮健太   チームプレーを覚えた天才

  • 2009/08/27(木) 02:26:33

大分・明豊高校。僕は今大会実は影の優勝候補とみていたチームだ。ピッチャーもやりながら打者としても非凡なものをみせ、プロでも通用するのではないかと思っている選手がこのチームの中心だ。今宮健太。
実は以前このブログで彼のこと、明豊高校を酷評した事があった。

http://mrsoff.dtiblog.com/blog-entry-102.html

いくら実力があってもいくら才能があっても全力でプレーしない選手はいかがなものか?エラーがおこるかもしれない内野ゴロで一塁まで走らないとは何事か?と苦言を呈したことがあった。
しかしあれ以来、今年のセンバツでも今大会でも今宮健太は常に全力で一塁まで駆け抜けた。最後の打席、平凡なセカンドフライだというのに今宮健太は一塁を回って全力で走り続けた。まだまだ諦めない姿勢をチームメイトに見せ付けるかのように・・・
試合後「甲子園は風があるので何があるかわからない。」 正直、驚きのコメントだと思ったのはのは僕だけではなかったのではないだろうか。

たぐいまれな能力や才能を持つのに出し惜しみをするタイプで負け試合には全力でプレーしないとチームメイトからも批判の的だった今宮が一年の時を経て新たな姿に生まれ変わっていたのだ。

なにより凄いと思ったのは「前は簡単にあきらめてましたね。エラーするわけないなと思ってましたし負け試合に全力を出すなんて考えられないと思ってました」と過去の非を意図も簡単に認め反省のコメントをしていたことだ。

しかもこの試合負けはしたものの大事な場面でなんと送りバントも決めている。
勿論、サインではなく自分の判断でだ。高校入学以来、初となる送りバントを甲子園の大事な場面で行ったのだ。 

もともと身体能力、技術はプロのスカウトも惚れ込む超高校級。それに磨かれた心やチームプレー、全力で取り組む姿勢が加われば鬼に金棒ではないだろうか?

菊池などピッチャーが大注目された今大会で間違いなく最も見応えのある野手だったように思う。
見栄えを捨て、余計なプライドを捨てた今宮が打席に入るだけでわくわくさせる選手になったといっても過言ではない。きっとプロにいくであろう逸材でプロでも活躍できそうな素質だと思っている。

「今宮健太」みなさんもこの名前を覚えておいて貰いたい。

村上幸史  日本人初のやり投げでメダル獲得

  • 2009/08/25(火) 00:52:28

世界陸上最終日で日本人初のやり投げでメダル獲得という奇跡が起こった。同日に行われた女子マラソンの尾崎の銀メダルに沸く日本に届いた2つ目のメダル獲得のニュースに「村上幸史って誰?」とか「やり投げってそんなに期待されてたの?」という声が聞こえてきそうだ。

確かに日本選手権10連覇中で日本やり投げ界お第一人者であり「やり投げの鉄人」と言われていたが世界では全く注目されていなかった選手だ。

村上幸史。




この種目で日本人として初となったメダリストは「日本のやり投げが世界で通用することが証明できた」と胸を張ったが実際は強豪達の不調による棚ぼた的なメダルである事は村上選手本人がわかっていることだろう。
しかしこの大舞台で自己記録更新した精神力はたいしたものだと思う。10年前にジュニア世界選手権で銅メダルを獲得した当時は世界からも少しは注目されたがその後の世界の記録更新のスピードについていけず世界レベルの大会では出場しても予選落ちを繰り返すなどすっかり世界からは忘れられた名前だった

愛媛県の小さな島で育った村上は島の野球チームのスターだった。
小学生当時から速球を投げ込み中学生時代には甲子園常連の名門高校からのスカウトが殺到するほどのスターだった。しかしチームプレーに馴染めず「自分の力だけで勝負したい」と思った少年はある日陸上の投てき種目に出会う。
高校に進学した村上は本格的にやり投げに取り組みはじめるのだ。
野球をしていたらどんな選手になっていたかと思わせるほどの地肩の強さは健在だった。遠投で150mを投げ(これはプロでもトップレベル)でマウンドに立てば常時145kmの剛速球を投げ込んでいたというポテンシャルはその才能を開花させるのに時間はかからなかった。
やり投げを始めて一年後の高校2、3年で全国高校総体2連覇し世界を目指すようになる。

それでも世界はそんなに甘くない。投てき、特にやり投げが国技のようになっている北欧の強豪ははるかかなたのレベルで戦っていたのだ。

それでも地道にトレーニングを重ね何度も何度も世界の壁につき帰されても何度も立ち上がり挑戦し続けた結果、世界の銅メダル獲得というご褒美がめぐってきたように思う。

メダル獲得に沸く日本チームには申し訳ないが今回のメダル獲得には大きなラッキーがつきまとったことも忘れてはいけない。
優勝候補のピドカマキリ(フィンランド)が風邪で体調を壊し本調子でなかったなどライバル達の自滅が大きな要因であったろう。現に村上の記録も前回の大阪大会では8位の記録にも及ばず北京オリンピックでも入賞がやっとの記録だった。

それでも銅メダルを獲得した事実は立派なことだし胸を張って帰ってきてもらいたい。その上でより上のレベルを目指して頑張ってもらいたい。
小さな離島出身の元野球少年がやり投げの歴史に新たな一ページを開いた事に最大限の敬意をはらいつつ、今後のさらなる飛躍を期待したい。

寺田明日香  世界陸上女子100mHから

  • 2009/08/23(日) 03:50:56

100mハードルに出場した寺田明日香。




19歳の新鋭でジュニア世界ランク1位で挑戦した初めての世界陸上。結果はタイム(13秒41)も着順(予選6着)といまいちで早々と敗退してしまった。これが世界初挑戦、いわば新たな一歩を踏み出した所だから仕方がないと言えば仕方がない結果であろう。
「緊張しました」レース後の第一声が全てを物語っているように思えた。
高校生時代にインターハイ3連覇するなど期待されていた逸材が本格的に世界に踏み出した最初の一歩。

13秒29の自己ベストで挑んだ日本選手権で参加標準Bタイムを破る13秒05で優勝し切符を獲得した。日本選手権でしかも自己ベスト、しかも参加標準Bタイムを更新、さらにその1ヶ月後にも同タイムを叩きだすなどその伸び盛りの若さには期待が集まった。
ちなみにこのタイムは今季のジュニア(20歳以下)の世界ランク1位タイムだ。
当の本人もある程度自信を持ってこの日を迎えたことだろう。しかし世界はそんなに甘くなかった。予選の同組に入った世界の強豪達のベストタイムはどの人も12秒台。このレベルの違いにどんな違和感を感じたのだろうか?この組み合わせで萎縮するなと言う方が無理なのかも知れない。日本人が誰も到達していない12秒台(日本記録は金沢イボンヌの13秒00)が予選で当たり前のように連発されるのが世界だ。
弱者は予選敗退という現実だけが突きつけられる世界。
壁に大きく跳ね返された後から成長した先輩の福島の様に今後の寺田にどうしても期待をしてしまう。日本の女子でもトップクラスの100mのタイムを持つ寺田(リレーメンバーにも登録される実力)がハードリングの上手さを身につければ日本記録は勿論のこと世界と戦えるかもしれないという期待をしてしまうのだ。
今大会で見えた課題を問われた本人は「スタートからの加速。それにハードリングも遅いし、もっとスピードもスタミナつけなきゃ」と答えた。つまり全部に置いて世界との大きな差を認識したのだ。これが大きなそして一番の収穫だったろう。
「これから頑張ります」とはにかんだ笑顔は悔しさを感じるレベルでもないという認識があったのだろう。
初めての世界陸上は楽しめましたか?の問いに「はい」と答えた上で「楽しめました。でも次回はもっと戦えるように準備してきます」しっかり次を見据えているのが伺えた。まだまだ19歳の寺田明日香。
今後のさらなる成長が楽しみな選手である。きっと世界で戦える選手に成長してくれると期待している

因縁の再戦  木内マジックと鬼軍曹の対決

  • 2009/08/20(木) 00:22:34

高校野球の醍醐味のひとつに監督の采配というのがある。経験も技術もまだまだ未熟で発展途上の選手達を指導し教育するのは並大抵の仕事ではないと思う。

甲子園で夏の大会が真っ盛りだが今年のオープニングゲームで興味深い名将対決があった。「木内マジック」と称され数々の伝説を作ってきた常総学院の木内監督に対するのは東北高校時代、鬼軍曹と恐れられダルビッシュを擁し鍛えられたチームで東北初の全国制覇をもくろんだ若生監督。
若生監督は福岡の九州国際大付に籍を変えそれでも優秀な選手が若生監督を慕って全国から集まり影の優勝候補と呼ばれる好チームを作ってきた。

九州国際大付の若生監督東北高校監督当時、木内監督率いる常総学院が全国制覇した03年にダルビッシュを擁しながら決勝戦で敗れ苦杯をなめた過去を持つ。
ダルビッシュ攻略の糸口を選手に伝え徹底的に弱点を攻め立てた木内マジックの前に理性を失ったダルビッシュの若き姿は今でも覚えている。当時は東北絶対有利の下馬評だったし試合前夜も「明日までにダルビッシュの攻略方法を見つけてやらんとな・・・」と自信無げにコメントしていた木内監督に対し「正々堂々やったら間違いなく勝てる」と自信満々の若生監督。
試合前に木内監督は「勝とうと思うと力が入るので、負けて元々でやれればと思う。ダルビッシュはきっとプロでもいいピッチャーになる。そんなピッチャーだって高校生じゃ。弱点もある。ゆっくり焦らずそこを狙え。出来なければ完封負けするだけじゃ。」と笑って選手を送り出したという。
対して若生監督は「今日の日の為に死に物狂いで練習してきたんだ」とハッパをかけたそうだ。

結果はご存知だろうが東北勢悲願の優勝はならなかった。この日を境に若生監督は押し付ける練習を一切やめ選手個人が考える環境作りに努めるようになったそうだ。

そして因縁の再戦。

高校は違えどお互いが意識しないはずはない。関係者も開幕試合ということもあり興味深く見ていたのではないだろうか?結果は若生監督率いる九州国際大付が完勝し見事リベンジを果たした格好になったが緻密な作戦といい相手をかく乱する走塁といい見所の多い試合だったように思う。

「今回は完全にやられたわい」とはにかんだ木内監督だったが本当に悔しそうだった。それでも若生監督に対し「いいチームを作ってきた。いい監督さんだわ」と敬意をはらった。若生監督もまた「またひとつ教えてもらった。」と賛辞を送った。

監督という仕事の難しさを知り尽くした名将の対決にもうひとつ別の甲子園のドラマを見た気がした。

エレーナ・イシンバエワ ワールド・レコードアーティストの敗北

  • 2009/08/18(火) 04:35:40




ワールド・レコードアーティストという称号がお馴染みのエレーナ・イシンバエワがベルリンの空で輝く事はなかった。

出場するたびに優勝は義務つけられ世界記録の更新を期待されるアスリートの感じるプレッシャーはどんなものなのだろうか?
一度聞いてみたいと思っていたがこの日のイシンバエワは明らかにいつもと空気が違っていた。
こんなに追い詰められた表情を見たことがなかったからだ。

競技場に入って念入りにウォーミングアップを繰り返すといつもの様にパーカーをはおり顔にタオルをかけ同じ種目に出場しているライバル達の動向に左右されることなく集中力を高めていた。いつもは係員に促されても動かないイシンバエワが時折タオルを外しライバルの動向に目をやっては気にしているようだった。
大会前に足首を故障し調整的な意味合いで出場した試合でまさかの敗北を喫するなど今大会での調子はどうなのか?と疑問視する専門家もいた。

それでもワールド・レコードアーティストの称号に恥じない結果は誰もが待ち望んでいたのではなかったろうか?

記録もさることながら圧倒的な強さで他の追随を許さない勝ち方にその美しさを感じていたのだが今日はひょっとしたら負けるのではないか?嫌な感じになったのは僕だけだったろうか?
明らかに集中力を欠きライバルを気にするイシンバエワを見てそう思ったファンは決して少なくなかったはずだ。

今日初めて登場した4m75。

いつもなら余裕の高さのはずだ。それでもスタートしてからスピードも乗らないし踏み切りも合わなかった。結果バーに触れることなく失敗に終わった。ちょっとした修正でどうなるものでもない程の不調に観客以上に焦りを見せたのが当の本人だったようだ。バーの高さを上げ自らを更に追い込み集中しようとすればするほど焦りが生じますます窮地に迷い込んだ。ワールド・レコードアーティストの輝きはこのとき既に失っていた。

世界チャンピオンでもワールド・レコードアーティストでもエレーナ・イシンバエワでもいつものルーティーンが崩れた時、敗れる時がくるのだ。
スポーツの世界に「神話」は存在しない事を皮肉にもこの日のイシンバエワが自ら証明してしまった。

結果記録なしという惨敗。
屈辱以外の何物でもない状況に涙を流す女王のすぐ横では新女王が歓喜の雄叫びをあげている。あまりにも残酷すぎる光景ではあるがこれがスポーツというものだろう。

以前のインタビューでイシンバエワはこう言っていた

「練習では4m75以上は飛ばないわ。何故ならって練習ではアドネラリンが出ないから飛べないし集中しても集中しても4m75が限界だから。だからいつでもどんな悪条件でもどんな精神状態でも4m75を確実に飛ぶ練習をするの」

この日はその4m75が飛べなかった。それが悪夢なのか現実なのかはイシンバエワ自身が一番知っていることだろう





ウサイン・ボルト 人類最速王決定戦で9秒58の衝撃

  • 2009/08/17(月) 17:26:33

いくら優秀な科学者が議論を重ね正解を導き出そうともこの男の前では机上の空論と化してしまう。人類最速王決定戦で9秒58の衝撃で駆け抜けたウサイン・ボルト。

ほんの1年前の同じ日、北京で衝撃を放った男が今年はベルリンで新たな衝撃を放った。誰も想像しなかったというか出来なかった未知の世界。神の領域に瞬く間に駆け抜けたのだ。
世界中で論議を呼んだ「人類最速の可能性」にウサイン・ボルトが自ら答えを出してみせた。




世界中の科学者の関心の的だったはずの「もし、ボルトが北京で力を抜かずに全力でゴールしていたら・・・」の問いにいとも簡単に答えを出した。
ある人は決勝で出した秒速12.2メートルの最高スピードを指標に9秒56と語れば、力を抜いたとしても足転数、歩幅が落ちたわけでなくかえってリラックスした分を差し引いて9秒62と反論したりボルトのコーチまで条件が揃えば9秒52までは確実に出せると証言している。ボルト自身も「私にはすべての可能性がある」と自信満々に語っている。

迎えた頂上決戦。

元来こんな大舞台ではライバルを気にするあまり体が硬直し思ったようなパフォーマンスが出来ず記録が出ない傾向がある。現に決勝より準決勝の方がタイムが良かったというレースも沢山あるのだ。

そんな過去の結果やデータなどもこの男には全く関係ないようだ。

低速トラックと酷評のベルリンスタジアムでもこの日は追い風0.9メートルの好条件。ボルトのスタートの反応時間は、北京の0秒165に対し、0秒146と確実に改善され更なる自信を生み出している要因だ。まさに進化中の怪物の様だ。
20メートル付近で既にトップに立ち、そのままぐんぐん加速。他の選手が遅いのかと思わせるほどの加速をみせ隣を走る最大のライバルであろうタイソン・ゲイを横目で確認しながらのゴール。示した電光掲示板の数字を見て大観衆が一斉にフィーバー状態に。

世界中の観客が鳥肌が立った事だろう。まさに衝撃的で信じがたい記録を指差しその男は笑っていた。「北京ほどのコンディションではなかった」
この男の記録はどこまで伸びるのか怖くさえなってきた。




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日本人が挑んだ世界との差  男子100M予選から

  • 2009/08/16(日) 19:11:30

陸上の世界選手権がドイツ・ベルリンで開幕した。
注目の男子100m。オリンピック三冠ボルトと前回の世界選手権(大阪)三冠のタイソン・ゲイの頂上決戦に注目が集まっている。
時折笑顔を見せしかも軽く流す程度の走りを見せる世界のトップレベルの選手達に1次・2次予選は顔見世興行のようなものか?そんな中3人の日本人スプリンターが緊張の面持ちで世界選手権の1次予選に登場した。

早稲田の先輩、後輩にあたる木村、江里口に日本のトップである塚原。世界のトップが余裕を見せているのに対し日本人3選手は必至の形相でまさに全力疾走。全身に力が入りすぎているようにも見える。これが「世界との差」なのだろう。この「差」を是非肌で感じてもらいたい。

日本人が個人短距離で特に100Mでオリンピックの頂点に立つ日は残念ながら来ないかもしれない。
しかし、それは生まれ持ったスプリンターとしてもフィジカル面の違いであって技術、テクニックの差ではない。
しかしリレーは違う。
バトンパスの正確性を追求すればオリンピックでもメダル常連もしくは金メダルもあるかもしれない。そのときの為に必要な走力のアップを目指して個人競技に集中してもらいたいと思う。今感じている「世界との差」を各々が縮める事ができればリレーがますます楽しみになる。

一次予選も出場3選手全員が突破した。地味ではあるがこれは凄いことである。日本のレベルも捨てたものではないと思って楽しみにしていた2次予選。

期待された木村・江里口は自己ベストを大きく下回るタイムで各組の最下位に甘んじた。日本選手権を制しユニバーシアードでなんと史上初の100M銅メダルに輝くなど成長著しい江里口でさえ全力で走った一次予選の疲れが抜けずに精彩を欠いた。
木村もスタート前のルーティンワーク(選手がレース前に必ず行うストレッチや集中動作など)が遅延行為とみなされ警告を受けた上会場全体からの大ブーイングで集中力を欠き全くいい所なく惨敗した。

もう一度言おう「これが『世界との差』なのだ」

9秒台が足り前の黒人スプリンターは余裕を見せ、集中力も半分で体力も半分で楽々通過していく予選に対し集中力を高めようといた行為が遅延行為と言われたり疲れが抜けきれずに足が痙攣したりしてしまう。これが「世界」なのだ。

この日の2人が世界を見据えるには世界短距離で戦うにはこの経験を大きな糧にしなければならない。一発勝負では時に大きなアクシデントを生む。フライング失格もそうだし急な故障もそうだ。
しかし世界のトップアスリートとなれば連戦の中で大舞台に向けたコンディションを作って最高の状態に上げていくすべは誰もが身につけている。加えてどんな大舞台で何が起こっても「想定内」とし動じないハートも強さも持っている。黒人特有のフィジカルの強さポテンシャルの高さに加え精神的なタフさも持っているのだ。今、日本人がかけているのはこの「ハート」の部分ではないだろうか?

フィジカルの差を埋めようと躍起になって取り組んでいる技術の向上や作戦、戦略。勿論大事であるし絶対に補なわければいけない点だがそれ以上に大事なのは大舞台に自己のコンディションをベストに持っていく術と大舞台で何が起こっても動じない精神的タフさではないだろうか?

この日の2人に一番かけていた様に思った。これを「経験」とし更なる高みを目指して頑張ってもらいたい。

日本人からすると一見「生意気」に見えるかもしれない態度の塚原がフライングで3名が失格する荒れたレースの中、スタートから飛び出し準決勝に進出した結果が先の2人との差なのだろう。流石、オリンピックのリレー銅メダリストと思わせた。ともに成長の過程にあり今後の日本スプリント界を担う江里口と木村の両選手にはない「ハート」の強さをまずは塚原から学んでもらいたい。

川上憲伸  苦悩するエース

  • 2009/08/09(日) 00:15:19

ブレーブスに入団した川上憲伸。
WBCで調整方法が狂った松坂よりも往年の球威に衰えを隠せない上原よりも確実に活躍するピッチャーだとシーズン前は踏んでいた。

しかしいざ開幕したら中4日の登板に硬く傾斜の強いマウンドに幾多の日本人エースが苦しめられてきた滑る球や移動時間や移動距離、審判によって定まらないストライクゾーン、言葉の壁や投げ込み不足などに悩まされ思うような結果が残せていない

メジャーに来て日本人投手しかも各球団のエースだった投手がぶち当たるハードルは多い。
川上憲伸もその「違い」に戸惑いを隠せないようだ。

それでも言い訳を嫌う男気あふれる男は自分の中でだけもがき苦しんでいる。ここまで2度先発を飛ばしたが今季日本人先発投手では唯一DLに入っていない。勿論大きな故障を抱えたわけではないのでDLに入る必要もないがここまでの川上のパフォーマンスでは一度休ませる方法もあったかもしれない。
現に川上自身も「日本だったらギブアップさせてくださいというところもあったが、それを乗り越えてきている」とコメントしている。ギリギリのところで踏ん張っている様子がみてとれる。

そんな川上に改めてアメリカのメジャーの現実を知らされる事件があった。

ある日の練習前にジェフ・フランコアとトランプをしてリフレッシュしていた。そんな時チーム関係者に呼び止められたフランコアはその足でチームを去ったのだ。トレードが通告されすぐに移籍先のチームに合流する為チームを離れた。練習後にロッカーに戻った川上はすでに姿を消しロッカーも片付けられていたフランコアの移籍を関係者から聞きおどろいたという。
フランコアは春のキャンプから、親身になって接してくれたチームメートだった。ゴルフも誘ってくれた。メジャーでは頻繁に起こるとはいえ、割り切ることはなかなか難しかったようだ。フランコアは「これも野球の一部さ」と優しい表情で話したそうだが川上は消え入りそうな言葉で「慣れなきゃいけないのかな」と何度も自問自答していたらしい。

川上は自身のパフォーマンスに満足したことなど今季は一度もない。配球の面にしてもまだまだ手探り。不安定なストライクゾーンを審判に確認することもできずもどかしさは募るばかりだ。

こんなナーバスになった川上を見たことはなかったと思うしこれが日本で輝かしい実績を誇ったエースかと目を疑いたくなる。しかしこの逆境を乗り越えた時こそ本当の川上憲伸の姿が見れるのではないかと期待している。



マイケル・フェルプス

  • 2009/08/08(土) 00:36:27

北京オリンピックで史上初めて一大会で金メダル8個を獲得した「水の怪物」マイケル・フェルプス。




オーストラリアの英雄、イアン・ソープもなしえなかった偉業をいとも簡単に達成しそのソープを引退に追い込んだアメリカの若き皇帝。

過去の大麻吸引事件の影響からか満足に練習もせずベストの体調には到底及ばない中で出場した。ローマの世界選手権。

スポンサーへのみそぎの出場とされメダルは勿論世界記録など到底期待されていなかった。モチベーションも明らかに北京の時と違っていた。誰の目に見てもわかるフェルプスの本気度の低さにフェルプスに向けられるほずの大きな注目はされないまま大会が始まった。
高速水着による驚異的な記録ラッシュに「水泳」という競技が全く別の競技になっていまった感も否めない今大会だが
その話はまた後日するとして今日はあくまでフェルプスに注目しておきたい。

得意とする200m自由形で驚異的な世界記録の前に敗れ去ったフェルプスの泳ぎは仮に水着を同じ条件にしても勝てなかったような惨敗ぶりだったと思う。

独特のキック力が明らかに低下しおおきな泳ぎも完全に影をひそめていた。

次の日の200mバタフライ予選、準決勝でも後れをとり優勝は難しいのではと誰もが思ったことだろう。特に日本では松田が準決勝をタイム1位で通過しフェルプスとの直接対決でも勝っていたため初のフェルプス越えに期待が高まって迎えた決勝レース。
スタートから抜群の飛び出しを見せなんと世界記録更新ペースでレースをひっぱて行くがそれでも松田は自身の持つ日本記録を更新するペースでぴったりマークし得意の後半ぬ勝負をかけた。しかし今日のフェルプスはまるで昨日までと別人の泳ぎだった。

前日の自由形での敗北がよほどプライドを傷つけたのか見違えるほどの大きな泳ぎでどんどん後続を離していくのだった。

結局、世界記録で優勝を遂げ何事も無かったかのようにプールをあとにした
世界一の「水の怪物」の姿を初めてローマで見た。これがフェルプスの強さだと言わんばかりの泳ぎで会場を一瞬黙らせたのだ。
広げると身長より遥かに長い腕と大きな足、非常に柔らかい関節を持ち、爆発的な推進力を生み出すドルフィンキックとそれを維持できる.驚異的なスタミナ。
フェルプスの泳ぎは到底真似ができない異次元のポテンシャルを持ったまさに天才とされている。

さらにボディバランスの良さで全く体幹の軸がブレないため抵抗が少なくてすむのも大きな特徴か全身を鞭の様にしならせる泳ぎは見ていて怖いぐらいだ。そんなフィジカルにモチベーション、集中力がみなぎった時その男は「怪物」と化す。

ローマで改めて「怪物」に出会えた事に感動している。



「土」

  • 2009/08/06(木) 00:45:34

世界と戦うには少し実力差がついた感が否めない陸上の男子長距離界。高校生のジュニア世代からの根底からの実力強化を狙った全国有名校の全体合宿なるものが行われているらしい。
長野の高原で地元、佐久長聖高や兵庫の名門、西脇工業、大牟田など全国駅伝の強豪高校が一同にそろい互いに刺激しあって練習する合宿。この試みはとても有意義であると同時にいろんな指導者に出会う選手にとってまたとないチャンスである。

そんな中、史上最多の8度の全国制覇を成し遂げた名将で西脇工業の元監督渡辺さんの講演もあった。

「長距離において天才と呼べる人は努力を重ねた人」
渡辺さんの名言であるとともに口癖だ。

西脇工業と報徳学園。「兵庫を制する者が全国を制する」と言われるほどハイレベルな戦いをしてきた渡辺監督の言葉はやはり重みがある。僕も地元ということもありよく練習風景を見に行ったものである。夏の暑い日だったと記憶している。誰よりも早くグランドに姿を現した監督はグランドの細かな石を取り除いていた。おもむろにやってきた下級生らしき選手達も挨拶をすませるとスコップや鍬や鎌をもってグランドの四方に散ってグランド整備に汗を流していた。

はたから素人が見ても十分に整備されているグランドに見えたが監督は作業する下級生に「ぴしっと基本ができたグラウンドの上でなければいくら練習しても意味がない」 とはっぱをかけグランド整備の大切さを教え込んでいた。

砂利ひとつにつまづき怪我をし選手生活を棒にふった教え子から学んだ教訓らしい。今でも練習前後のグランド整備は、西脇工では基本中の基本であるらしい。

芝生や全天候型のトラックを備えたスポーツ強豪高が増えたと聞く。
確かに足の負担は軽減され選手の怪我も少なくなったというしスピード強化にも一役買っているらしいが渡辺さんはあえて「土の上でないと、本当の走る力は生まれてこない」 と持論を展開させた。渡辺さんの「土」へのこだわりは今、日本に欠けている「強さ」につながる気がしてならない。

グランドの整備に明け暮れ上級生になって整備された土のグランドに感謝をしつつ目いっぱい練習に励み、また「土」に感謝をする。

そんな心が「強さ」を育て「強さ」こそが低迷する日本の切り札になると考えている渡辺さんの教えが今、何人の参加者に響いたのだろうか?

科学的な効率重視のトレーニングも勿論大事だろうし必要であろう。

しかし日本の強さはもっと別のところにあったような気がしてならない。今こそ原点回帰「土」に賭けてみてはいかがだろうか?70歳を越えても今尚、健在な渡辺さんの指導こそが何かを変えるかもしれないのではないだろうか

石川遼の優勝に見た観客のモラルに疑問

  • 2009/08/05(水) 00:00:39

「遼はとても良い選手だし日本一の選手だと思う。次はリベンジしたい」とあと一歩で勝利を逃したブレンダン・ジョーンズの試合後のインタビューである。
確かににこの日は負けた。しかし実力、実績からいっても確実に石川より上を行くはずのブレンダンのコメントに改めて紳士スポーツの良さを見た気がする。

単独トップで最終日を迎えた石川を激しく追い上げるブレンダンの脅威に怯えたのか石川は前半でボギーをたたきブレンダンに並ばれてしまう。
そんな石川の変化を見てとれたブレンダンはプレーの合間に「リョウ、スマイル、スマイル」と励ますような声を何度もかけたという。そして熾烈なバーディー合戦で同スコアで迎えた最終ホールでドラマは結実した。
ともに2オンに成功しバーディーチャンスにつけた運命のパット。先に打つのは4日間抜群のショットを見せながらもパットに苦しんだブレンダン。4日間を象徴するようなラインの読み違いで外してしまう。

ここで非常に残念な光景を目にする。

石川を応援する数多くのギャラリーから拍手が漏れ歓声が沸いたのだ。

石川を応援したい気持ちは良くわかる。しかし、ミスをした選手に拍手を送るなどスポーツの場において絶対しては行けない行為だと僕は思っている。
しかもブレンダンは長く日本でプレーし実績も十分な好選手である。そんなブレンダンが失敗したパットに対し拍手をするなんぞ何たる暴挙だとあえて強く言いたい。
悔しそうな表情を浮かべるブレンダンに対し失礼極まりない無礼であったろう。

石川は続くパットをなんとか沈め優勝をし歓喜に沸くギャラリーに何度もガッツポーズを繰り返した。
たしかに完全優勝は素晴らしいし石川の成長も凄いと僕は思うが・・・なんか後味の悪い結末と感じたのは僕だけだろうか?

「最後の最後まで一緒に戦ってくれたBJ(ジョーンズ)にこれ以上ないぐらい感謝をしたい。勝負に緩みがなかった」と石川が試合後、涙ながらに優勝コメントを発してくれ少しはホッとしたが日本人のあらゆるスポーツ観戦に対するモラルの低さが気になった。

古橋広之進  「フジヤマのトビウオ」ローマで死す

  • 2009/08/04(火) 00:40:28

国際水泳連盟副会長の職を再選され古賀の獲得した100M背泳の金メダルを我がことのように喜んでいた「フジヤマのトビウオ」がローマの空の下、この世を去った。
古橋広之進(享年80歳)
前日に関係者と食事をしそのまま翌朝、滞在先のホテルで亡くなったのだ。

敗戦後のショックに沈む日本を活気つかせた功績は今尚語り草になっている。戦争で負った左手指の欠損をもろともしない独特の泳法で世界記録を多数塗り替え戦後復興のシンボルとなった。
全盛期におこなわれたロンドンオリンピックで金メダル確実とされながら戦争の責任をおった日本は出場する事ができず古橋は「悲運のトビウオ」とも言われた。

現役引退後も徹底的な泳ぎこみをさせるスパルタ監督として名をはせ日本水泳界の重鎮としてその影響力は今日まで受け継がれてきた。
なにより現場が好きで高齢になった最近でも猛暑、酷暑の中、現地で観戦し時には叱咤激励を自らするなどそのパワーは現役さながらといった勢いを感じさせていた。

現役選手との最後のミーティングとなってしまった前夜でも
『魚になるまで泳げ』と古橋節健在の所をみせていただけに急な訃報に選手をはじめ関係者は驚きを隠せないという。常に試合会場に足を運び選手のレースを見に来ては激しく激励を飛ばす反面レースを終えた選手を迎えるあの満面の笑顔が忘れられないと選手は口々に言った。

世界水泳選手権の最中にあの世に行ってしまった「フジヤマのトビウオ」。らしいと言えばらしい最期だったのかもしれない。

悲しみにくれる日本選手団を天国から見ては「そんな暇があれば魚になるまで泳げ」と怒鳴っている気がしてならない。

享年80歳 ご冥福を心からお祈りしたい。

加藤陽一   つくばに羽ばたくフライング・ハイ

  • 2009/08/03(月) 01:13:40

『世界に羽ばたくフライング・ハイ』テレビ局がつけたニックネームで加藤陽一を知った。アジア人初のセリエAのスパイカーとしてその名は一瞬、世界で輝いた時もあった。

世界的不況の影響からNECや武富士など日本のトップリーグのチームが解散や廃部になり暗い影を落とした日本のバレー界だが元全日本のキャプテンの国内移籍に多数の報道陣が集まると思いきやテレビカメラはわずかに2台という寂しさだったそうだ。

意外なほど少ない報道陣への初のお披露目となった新チームのユニホームに身を包んだ加藤陽一の表情は思いのほか清々しく輝いていたように見えた。
気になる移籍先はVチャレンジリーグ(2部リーグに相当)の「つくばユナイテッド・サンガイア」




つくばユナイテッドは2003年に筑波大男子バレーボール部のOBや現役選手を中心に任意団体として発足し日本の最下部層の実業団リーグに参戦。
その後、地域リーグ、チャレンジリーグと順調に昇格を続けてきた。母体企業を持たず資本金0円でスタートしたクラブチームでスポーツ関連グッズなどの制作販売やイベント開催やバレーボール教室などで収益を上げチームを運営している地域密着型のクラブとして決して恵まれた環境ではないものの地道な活動を続けるチームである。

イタリアをはじめバレーボールの盛んなヨーロッパで現役の絶頂期を過ごした加藤にとって地域や住民に愛されるクラブチームは理想の姿だったことだろう。バレーボールというスポーツが社会に必要とされひとつの職業として成立するクラブに賛同し移籍したと言う。

チームに所属する選手は競技者であると同時に「つくばユナイテッド」の事業運営スタッフだ。年間200回以上のバレーボール教室やイベントを企画して自分たちの活動費を生み出している。「脱企業スポーツ」を合言葉に人材を育て、働く場所を作り、バレーボールを通じて地域や社会に貢献することを目的としたクラブだけに加藤の気持ちは高ぶっているようだ。






テレビ局やマスコミに華やかなスポットライトを浴び続けたスターが選んだ次なる舞台。その道はかなり険しいだろうが加藤は自分の理念の実現に向けて意欲を燃やしているそうだ。

プロ選手として現役選手にこだわりながら日本の企業バレーの縮図をかえようとする加藤陽一の心意気にこれからの日本バレーを託してみてはいかがだろうか?


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